埼玉医科大学病院

この研修プログラムの特徴

埼玉医科大学総合診療内科の後期研修プログラムの特徴は、初期診療の患者さんを的確に診療し、診断する能力のあるGeneralistを育成することにあります。内科を中心に、患者さんに人として対応し、明確な診断を下せる、「名探偵」のような医師の育成を目指しています。Generalistとして広い視野にたった診療ができる、そして十分な対応能力を備えた医師を目指します。
現在の医療形態として、国民の多くの健康問題の大半を解決する能力のある一般診療所のGeneralistと、専門医の医療を必要とする少数の患者だけが紹介される病院のSpecialistの二分化された分業体制を形成していました。これまでの日本の医療はSpecialistの育成に特化しており、Specialistが開業すると突然Generalistとして多くの患者さんの診療にあたる形態が主でした。そのためのGeneralistの育成を専門に行える施設は大学病院にはほとんどないのが実情でした。当科はそのような医療現状をふまえ、十分な診療を行えるGeneralistを育成することを目標として設立されました。
埼玉医科大学病院総合診療内科の特徴は、埼玉医科大学が地域に根付いた病院であり多くの外来診療患者がいることから、Common Diseaseから専門医師の診療が必要な高度先端医療の対象患者まで幅広い患者層を有しています。そのために外来診療で経験する症例数は全国でも有数といえます。初期外来診療を経験するには、最適の医療施設といえます。特に当院の総合診療内科では、急性期疾患を中心とした時間外診療センターの診療と、生活習慣病を中心とした慢性疾患外来の二つを受け持つことで、将来開業後の外来診療の技術を習得することができます。さらに診療科内には腎臓内科、糖尿病内科、神経内科、循環器内科、超音波の専門医もおり、専門医による指導も常時行われている。
我々の目指す医師像は、広い視野をもったGeneralist、そのうえで専門性Specialistとしての能力をも併せ持つような医師となるよう指導をしています。Generalistの上にSpecialistとしての能力も兼ね備えた医師像です。そのために、専門的な研究、さらに自分の希望する専門医の研修も行います。大学院の学生として日々研究に従事している医局員も多数おります。これが真の専門医のありかたと考えているからです。専門性の部分についても中途半端になることなく、世界一を目指して頑張る医師を育てます。

後期研修1年目は病棟での診療を中心に、初診外来の診療にも従事する。この初診外来診療は、指導医の指導のもとで行う。その他に時間外診療を指導医とともに開始する。ここでの目標は、外来診療での初期対応を習得し、診断から治療方針決定までできるよう学習する事にある。この場合、治療方針が決定したならば他科の診療施設へ紹介するか、あるいは他医療施設へ紹介するかなどの病診連携も重要な課題であり、積極的に地域各施設との連携をとるようにしている。
外来診療としてその他にＣＴ、ＭＲＩを含めた読影技術を身につけること、ECGなどの検査をきちんと判断できること、さらに超音波検査が自分できるようになることを目標に、放射線診断部とも連携をして研修を行う。総合診療内科には超音波専門医が所属しており、週に一回以上の超音波実習を必ず行う。また内視鏡研修等の検査研修も開始される。腎臓内科、糖尿病内科、神経内科、循環器内科、などの専門医によるクルズスや抄読会を定期的に行い、症例検討会を行うことで経験症例のフィードバックを行う。経験に基づく臨床能力を身につけること、さらに後期研修の４年間で内科認定医、内科専門医の取得を最低限の目標としている。