川崎医科大学附属病院

初期臨床研修を終えた医師が次に考えるのが、どの施設で、どの後期臨床研修プログラムに所属するかということでしょう。内科を志すことを決めたとしても、大学病院や比較的規模の大きな市中病院は臓器別の内科研修プログラムを提示していますから、専門分野を決めかねている研修医の方々がその選択に迷うのは当然のことかと思います。当科は、全身の臓器に病気を及ぶ膠原病を専門としています。対象臓器が一つに留まることはまずありません。心臓、呼吸器、消化器、血液、脳神経と多臓器の障害に対し、整形外科、皮膚科、感染症、免疫の知識をも総動員して診療に当たる必要があります。多様な病態を有する症例に対し、自らの診療知識・技術を駆使しながらも、必要に応じて各科の専門医の指導も仰ぐことができるのですから、総合的な内科研修の場としては理想的です。　後期研修で専門を決めることもよいですが、専門分野の決定を保留したまま先に進むこともまた一つの道と思います。たとえ専門を未定としている人にとっても、あるいは今後は家庭医・総合内科医を目指そうとしている人にとっても、一定の期間、当科でトレーニングを積むことは医師としての経験・知識をより深いものとするはずです。私達の施設のように臨床力の高い大学病院に一定期間勤務することは、必ず今後の医師人生において貴重な経験になることと思います。