【失敗例あり】将来の医師像別 志望動機6つを紹介

更新日時:2024年8月9日

志望動機の重要性と構成要素

志望動機は、自身のキャリアの方向性を示すことで、病院との相互理解を深めるために用いられます。単なる形式的な文章にならないよう、本記事で紹介する内容を参考にしてみてください。

志望動機を説明する時は、構成要素を意識し、「なぜうちの病院を選んだのか?」を面接官に納得してもらえるようにしましょう。まず、最初に「医師を志した理由」や「目標」を明確に述べ、そのあとになぜその病院を選んだのかを具体的に説明します。

例えば、病院の特徴や強みと自分の目標との関連性を示すと良いでしょう。全体の流れに一貫性を持たせ、自分の言葉で誠実に説明するよう心がけましょう。

志望動機の例文紹介

このセクションでは、志望動機の例文を目指している姿に合わせて紹介します。なぜその病院でなければならないのかを示すために、以下の例文を参考にして、あなたが志望している理由に納得感が出るようにしましょう。

例文1:総合診療医を目指す場合

将来、地域医療の中核を担う総合診療医になることが私の目標です。貴院は幅広い診療科を有し、common diseaseから稀少疾患まで多様な症例を経験できる環境が整っています。
この恵まれた環境で、総合的な診療能力を磨き、将来的には地域の健康を支える医師として活躍したいと考えています。

例文2:救急医療のスペシャリストを目指す場合

私の将来の展望は、救急医療の専門家として、重症患者の命を救うことです。貴院の充実した救急部門と高度救命救急センターでの研修を通じて、迅速な判断力と処置能力を養いたいと考えています。
将来的には救急医療の分野で指導的立場に立ち、地域の救急医療体制の向上に貢献したいと思います。

例文3:臨床研究者を目指す場合

私の目標は、臨床と研究を両立させ、新たな治療法の開発に貢献することです。貴院の充実した臨床研究支援体制と、大学病院との密接な連携に魅力を感じています。
この環境を活かして、日々の診療で得た疑問を研究テーマとして発展させ、将来的には臨床研究のリーダーとして医学の発展に寄与したいと考えています。

例文4:世界で活躍できる医師を目指す場合

グローバルヘルスの課題解決に貢献できる世界でになることが私の長期的な目標です。貴院の国際交流プログラムと、外国人患者の受け入れ実績に大変興味を持っています。
この環境で、異文化理解能力と国際標準の医療技術を習得し、将来的には活躍できる医師になりたいと考えています。

例文5:将来開業を目指す場合

将来的には、自身で開業し病院経営することを目指しています。貴院の効率的な病院運営システムと質改善の取り組みに深く共感しています。研修期間中に臨床スキルを磨くと同時に、医療マネジメントの基礎も学びたいと考えています。
この経験を基に、開業後も質の高い医療を継続して提供することで、安定した病院経営をしたいと思います。

例文6:予防医学のエキスパートを目指す場合

私の目標は、予防医学の専門家として地域の健康増進に貢献することです。貴院の充実した健診センターと地域保健活動に強く魅力を感じています。
研修を通じて臨床能力を高めると同時に、疾病予防と健康教育のスキルも磨きたいと考えています。将来的には、エビデンスに基づいた効果的な予防プログラムを開発・実施し、地域全体の健康レベル向上に寄与したいと思います。

実際の面接の場では志望動機を自分の言葉で語る必要があります。上記の例文をベースにしながら自身の具体的な経験や実績を盛り込み、より独自性のある志望動機を作り上げてください。

よくある志望動機の失敗例と対策

志望動機は、自分の強みやスキルをアピールする絶好のチャンスですが、反対にマイナスのイメージを与えてしまう可能性もありますので、よくある失敗例を避けるように注意しましょう。以下に、よく見られる失敗例とその対策について紹介します。

失敗例1:具体性に欠ける志望動機

志望動機:貴院は素晴らしい病院なので、ぜひ研修させていただきたいです。

問題点:志望している理由が明確でないこと

対策:病院の具体的な特徴や強みを挙げ、それがどのように自分の目標と合致するかを説明します。
例えば、「貴院の先進的な内視鏡手術システムと、年間1000件以上の内視鏡手術実績に魅力を感じています。
将来、内視鏡外科医を目指す私にとって、どれだけ多くの症例を経験できるかが重要だと考えており、貴院の環境で学ぶことで私の目指す将来像に近づけると確信しています。」のような内容にするのが良いでしょう。

失敗例2 :病院側の視点が欠如した志望動機

志望動機:貴院で研修すれば、自分のスキルアップにつながると思い志望しました。

問題点:自身が就職することでどのように病院の力になれるかが分からないこと

対策:自分の成長だけでなく、病院や患者さんにどのような貢献ができるかを説明します。
例えば、「臨床実習を通じて、効果的なチーム医療の重要性を強く認識しました。特に、多職種カンファレンスに積極的に参加し、各専門職の視点を取り入れた患者ケアの立案に貢献した経験があります。
貴院では、この経験を活かし、医師、看護師、薬剤師、理学療法士など多職種間の連携をさらに強化し、患者さんにとって最適な医療を提供することに尽力します。 」のような内容にするのが良いでしょう。

失敗例3:表面的な理由の志望動機

志望動機:都心にあり、交通の便が良いので志望しました。

問題点:他の病院でも良い理由になっていること

対策:立地などの表面的な理由ではなく、病院の理念や医療方針への共感を説明します。
例えば、「貴院の『患者中心の医療』という理念に深く共感しています。4年次の総合診療科での臨床実習時にて78歳の慢性腰痛を抱える患者さんを担当した際に、単に症状の治療だけでなく、患者さんの生活全体を理解することの重要性を学びました。
指導医の許可を得て、患者さんの生活リズムや趣味、家族関係などの情報を詳細に収集し、多職種カンファレンスで共有したことで、整形外科的治療に加え、理学療法士による自宅でできる運動指導、作業療法士による趣味活動の提案、そして精神科医との連携による心理的サポートを含む、包括的な治療計画を立案することができました。
この経験から、今後も「患者中心の医療」 の実現に貢献したいと考えています。」のような内容にするのが良いでしょう。

失敗例4:調査不足で誤情報で記載した志望動機

志望動機:ダヴィンチを使った症例経験を積みたいので志望しました。(ダヴィンチを導入していない病院に対して)

問題点:病院の実態と合っていない内容になっていること

対策:病院のウェブサイトや説明会資料を熟読し、可能であれば見学会に参加するなどして、病院の特徴を正確に把握し、志望動機に絡めて説明します。
例えば、「貴院が地域の中核病院として、近隣の診療所や介護施設との連携を重視されていることに共感いています。私は臨床実習中、地域医療連携室での研修を通じて、シームレスな医療提供の重要性を学びました。
特に、電子カルテシステムを活用した情報共有の効率化に関心があり、貴院のシステム改善プロジェクトに積極的に参加し、連携強化に貢献したいと考えています。 」のような内容にするのが良いでしょう。 

失敗例5:他病院と比較する意味がない志望動機

志望動機:A病院よりも貴院の方が症例数が多いので志望しました。

問題点:比較することで、志望動機により説得力を持たせられていないこと

対策:他の病院と比較をすることは必ずしもマイナスなわけではなく、むしろプラスに働く可能性もあります。ただし、他の病院と比較をすることで、より志望動機に説得力をもたせられないのであれば、他の病院との比較は避け、志望する病院の魅力を直接的に説明します。
例えば、「貴院の最大の魅力は、最先端の医療技術と温かい患者ケアの融合にあると考えます。最新のロボット支援手術システムを導入しながらも、「患者さんの声に耳を傾ける」という理念を大切にされている点に深く感銘を受けました。
私は医学部在学中、外科手技の練習と並行して、患者さんとのコミュニケーションスキル向上にも力を入れてきました。
貴院のような、高度な医療と人間味のある患者ケアの両立を目指す環境で、自身のスキル を活かし、さらに成長させたいと考えています。 」のような内容にするのが良いでしょう。

失敗例6:将来のビジョンが欠如した志望動機

志望動機:とにかく一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします。

問題点:初期研修で何を学び、将来にどうつなげるのかを明確にしていないこと

対策:研修後のキャリアビジョンを示し、そのために研修をどう活かすかを説明します。
例えば、「貴院での研修で総合的な診療能力を身につけ、5年後には僻地医療に従事し、10年後には地域の中核病院で指導的立場に立ちたいと考えています。」のような内容にするのが良いでしょう。

これらの対策を踏まえ、以下の点に注意して志望動機を作成することをお勧めします。

1:病院の特徴や強みを具体的に挙げる 

2:自身の経験や能力と病院の特徴を結びつける 

3:短期的な目標(研修で学びたいこと)と長期的なビジョンを示す 

4:病院や地域医療への貢献について言及する 

5:誠実さと熱意を伝えつつ、具体的で論理的な説明を心がける 

まとめ

病院側は、自院に採用することで病院に貢献してもらえそうか、研修を自院で受けることがキャリアビジョンにマッチしているのかを重視して見ています。この記事で紹介したポイントを押さえながら、より説得力のある志望動機を作成してみてください。

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