高島市民病院

この研修プログラムの特徴

高島市民病院は滋賀県の臨床研修病院の中では、最も病床数の少ない病院です。しかし当院は湖西地域唯一の臨床研修であり、唯一の総合病院です。また、当院の歴史は昭和 25 年に開設された診療所から始まっており、市民には大変身近な存在と認識されています。その様な環境にある当院での研修との特徴は、
① 多様な疾患の経験
市内で発生した救急搬送症例の 90％以上が当院には搬送されます。また、市内の他の医療機関との連携もよく、紹介患者さんも多く受け入れています。
② 高度医療の必要性の判断
当院では緊急的に腹部手術・消化器内視鏡検査および治療処置・冠動脈造影検査およびカテーテルインターベンション治療を行っています。ほとんどの患者さんにおいて、診断から治療、退院までの一貫した経過が経験できます。
③ 患者さんへの全人的な理解
高度医療機関での治療を終えた患者さんを受け入れ、当院で診療を継続することもあります。退院に向けて必要な場合は、自宅環境の整備や地域の医療福祉サービスの導入を行います。急性期以降の経過も経験することで、患者さんの全人的な理解がより深まります。
④ 高齢患者への対応
高島市の高齢化率は 34％を超え、県内随一の高齢化地域です。高齢患者さんはcommon disease の合併も多く、幅広い疾患知識が必要となってきます。また、高齢者は生体防御力が低下しており重症化しやすい状態にあります。そのため、若年者と比べて疾患治療の際には、より厳密な全身管理を要します。慢性期疾患のみならず、十分急性期治療に関しても学ぶことができます。
⑤ 医師としての役割認識
当院は県内の臨床研修病院としては最小規模の施設です。そのため、医療スタッフや事務職員とも大変近い関係にあり、病院全体で臨床研修を応援しています。医師が医業を行っていく中で、病院職員との関係は切っても切り離せないものです。大規模病院よりも密接な病院職員とのかかわりの中で、臨床研修の基本理念でも求められている「医学及び医療の果たすべき社会的役割の認識」が早い段階から深まっていきます。