現役専攻医が語る 診療科を選んだ
きっかけや理由

本記事は、2022年9月にオンラインで開催した「専攻医による座談会」の内容をお届けします。この企画は研修医や医学生の皆さんが3年目以降のキャリアを考える上で気になることを中心に、専攻医の先生方に生の声を発言してもらおうという座談会企画です。今回は、その中から『なぜこの診療科を選んだのか』についての内容をお届けします♪

メンバープロフィール

● ファシリテーター

野木 真将先生

米国クイーンズメディカルセンター

ホスピタリスト JACRA 顧問

2006年 京都府立医科大学卒業し、宇治徳洲会病院で初期研修および救急総合診療科の後期研修を修了。その後、渡米しアメリカでチームレジデント等の経験を経て、現職で専門を持たない「ホスピタリスト」として活躍中。

日本では全国のチーフレジデント制度の普及や人材育成を目指しJACRAを立ち上げ現在に至る。

 

● パネリスト

原田 愛子先生

飯塚病院 総合診療科 専攻医3年目

初期研修先:島根大学病院

初期研修終了後は、飯塚病院で内科研修を1年行った後、総合診療専攻医として研修中

礒田 翔先生

大阪医科薬科大学 総合診療科 専攻医4年目

初期研修先:名古屋第二赤十字病院

初期研修終了後は、大阪医科薬科大学病院の総合診療科専攻医として研修中

石亀 慎也先生

橋本市民病院 総合内科 総診専攻医3年目

初期研修先:岩手県立中部病院

初期研修後は総合診療科に進み、2年目の段階で橋本市民病院の総合内科に移り、総合診療専攻医として研修中。

Q:この診療科を目指した理由は?

野木先生

まずは診療科選びについて話していきましょう!ちなみに私は、医学部を出るとき小児外科医になりたかったんです。実は(笑)
ただ、初期研修を回っているうちに、内科がとても面白くて、また、診断をつけるという作業に喜びを覚えたので内科を目指した経緯があります。みなさんはいかがでしょうか?
では原田先生からよろしくお願いします。

原田先生

はい!まず、私が医者を目指した理由ですが、高校時代にご夫婦でクリニックを開業されている先生の元で下宿をしていた変わって経歴がありまして…(笑)その奥さんに憧れて、地域医療をしたいと思ったのがきっかけです。
ただ、学生時代はポリクリをやっていくうちに産婦人科の女医先生が、かっこよく手術しているところにすごく憧れて、一時期産婦人科を目指している時期もありました。しかし、体力的に産婦人科は自分には出来ないかもなと思い、その後は、小児科や乳腺外科など色々考え模索しましたが、"そもそも自分は内科の知識が何もわかっていないな"と初期研修医の時に痛感し、まずは一年しっかり内科のことを勉強してそこから診療科を決めようと思ったことが内科を選んだきっかけです。
で、一年間飯塚病院で過ごしていく中で、内科だったら働く場所も制限されませんし、奥も深いし、もっともっと勉強したいなと思い、4年目から飯塚病院の内科プログラムに今いるという状況です。

礒田先生

僕は、学生時代、当時流行っていた某医療ドラマを観て、フライトドクターになりたいと思って(笑)ドクターヘリに乗って限られた資材で…みたいな何となくの憧れで当初は救急医を目指してたんですけど、5.6年目の時、総合診療科に決めました。
そのきっかけは人と人との出会いですかね~。学生時代の友達とよく勉強会に参加していたんですが、たまたまなのか総合診療科の先生が主催している勉強会が多くて、その勉強会に参加していくうちに、先生の人柄や、幅広い知識だけでなく、医学教育の話だとか、普通の専門家じゃしない話…地域の話だとか社会的な話だとかを見据えた話をしているところが自分にとって刺激的で、いつの間にか『総合診療科やりたいなあ』と思ったのがきっかけで、目指しました。

礒田先生

僕は、初期研修が終わった段階では小児科とか循環器科とか…やっぱリ研修で回る科ごとに『その科に行きたいなあ』と思うことが多かったです。というのも、手技も、患者さんと接するのも好きだったので、"内科系で、患者さんと関わりが多い科であればなんでもいいかなあ"と思っていた2年間でした。
この診療科を選んだきっかけは、たまたま研修先に総合診療科があって、そこで経験したことがすごく印象に残り『自分もこういう風にやりたいなあ』と思ったのがきっかけで選びました。
…でも、今振り返ってみると結構ネガティブな理由で他の科を除外していった感じもあったなとも思います。例えば、循環器を目指すにしてもずっとカテーテルできるのかなあとか、外科に入っても手術執刀てずっとできるのかなあとか…長期的なプランを考えたときに結構不安があって。あとは、足りない科じゃないとなかなか自分は生き残っていけないんじゃないかとかも考えたりして…(笑)
ただ、現在総合診療科に入ってみて、当初はこの科の強みって何だろうと考えたこともあったのですが、今では求められるところで輝くというか、足りないところを補うという存在であったり。ちょっとずつ自分の中で総合診療科の答えが出てき始めてすごいやりがいがあってこの科を選択して全く後悔はしてないです。

野木先生

ありがとうございます。礒田先生も石亀先生も結構出会いというか、先輩の姿とかそういうのも影響あったようですね。
まだ総合診療科は日本においてはまだ過渡期というか色々変性する時期なのでまあ面白いでしょうね!まだ先が見えないところもありますが、確実に言えるのは、そういったジェネラリストと言われている人たちがこれから非常に役に立つかと。国としてこれから必要になっていく人材になることは間違えないのでこのまま進んで行けたらなあと思います。アメリカで臨床してますと、ジェネラリストの割合が非常に多くですねそれで医療指数も成り立っているという現状があるので、その上に専門家の先生が輝いているという状況なので、本当にもっともっとこれから必要になっていく分野かなあと、僕は海外にいると思うので頑張ってください。現実的に自分が好きなもの…例えば手技が好きかどうか、外来が好きかどうかなど、色々人によって好きなものが違うと思いますのでそこは皆さん初期研修中に分かったことだと思います。また、自分自身経験として、専攻医になったときに何が一番うれしかったかというとあまりローテーションしなくてよくなったのが本当にうれしくて。(笑)

3年目から一つの科に集中して1年間在籍できる。そうすると病棟スタッフの仲も良くなりますし、自分のしたい勉強もできますし…本当に良かったので後期研修になってから総合診療続けて、そこからさらに絞っていってもいいと思いますし、個人的な願いとしては総合診療科をずっとキャリアとして続けていく人たちが増えたら日本としては楽しみだなあと思ってます。

いかがでしたか?皆さん最初から診療科を決めていたというよりは、人との出会いだったり経験をして決断された方が多いようですね。未だ診療科が決められず焦っている方もいるかもしれませんが、研修医になって色んな診療科を回って経験をして絞っていっても良いのではないでしょうか?

 

「専攻医による座談会」では、他にも研修先を選んだ理由や専門研修生活についてなど、様々なテーマについて対談しています。他の内容については動画でまとめてますので、興味がある方はぜひご覧ください☆彡

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