【速報】2024年度医師臨床研修マッチング結果 比較と傾向

更新日時:2024年10月24日

臨床研修マッチング結果の概要

2024年10月24日に2024年度の医師臨床研修マッチング結果が公表されました。今年度の募集定員は10,724人で、昨年度に比べ若干減少しました。希望順位を登録した参加者の数は9,868名、マッチ者数は9,062名、マッチ率は91.8%と参加者は微減となったもののマッチ率は増加する結果となっています。参加者の平均希望順位登録数が2年連続で上昇していることも影響していると考えられます。(平均希望順位登録数 令和6年度:平均4.62、令和5年度:平均4.35、令和4年度:3.84)

マッチング結果概要

アンマッチ者数に関しては昨年から大きく減少し、806名という結果でした。下記グラフは過去5年間のアンマッチ者の推移ですが、増加トレンドがいったん落ち着き、2021年と同水準となりました。現6年生の方々の見学シーズンはコロナの影響が和らぎ、見学が比較的自由にできていたことも影響しているかもしれません。

アンマッチ者数 5年間の推移

希望順位ごとのマッチ者傾向

下の表は、過去3年間のマッチ者のうち、希望順位ごとのマッチ者数とマッチ率をまとめた表です。第1希望でマッチする方の割合が減り、第2希望以下でマッチする方の割合が増加しています。特に第4希望以下でマッチした方の割合は11.3%と、希望通りのプログラムにマッチできない傾向が強まっています。

希望順位別 マッチ者数とマッチ率

充足率100%の大学病院

2024年度のマッチングで充足率が100%だった大学病院は49件ありました。

大学病院 充足率ランキング50位

地域ごとの傾向と特徴

地域ごとのマッチ者数を見てみると、昨年と比較してマッチ者数が増加した都道府県上位5県は、山口県:72名→99名(+37.5%)、大分県:53名→70名(+32.1%)、福井県:38名→50名(+31.6%)、宮崎県:47名→57名(+21.3%)、徳島県:37名→44名(+18.9%)、岐阜県:127名→151名(+18.9%)。逆に減少したのは、山梨県:66名→53名(-19.7%)、山形県:75名→64名(-14.7%)、岡山県:171名→149名(-12.9%)、高知県:56名→49名(-12.5%)、鹿児島県:91名→84名(-7.7%)になります。

エリア別のマッチ者数

大学病院と臨床研修病院の比較

大学病院と臨床研修病院の充足率(マッチ者数/募集定員)を比較してみると、2024年度は大学病院は77.0%、臨床研修病院は89.2%、マッチ者数の割合も2023年度比較で大学病院は35.8%→35.3%、臨床研修病院は64.2%→64.7%となっており、より臨床研修病院の人気が高まっていることがみてとれます。

大学病院と臨床研修病院の結果概要

アンマッチしてしまったら

2次募集に向けた情報収集や必要な書類の準備に取り掛かりましょう。応募に必要な書類や、エントリーシートの書式など病院によって異なりますので、必ず問い合わせをしてから、書類の準備にとりかかりましょう。

アンマッチになったけどどうしたら良いか分からないという場合は、以下の記事にこれからやるべきことを紹介していますので、参考にしてみてください。

また、2次募集の面接までに自分がアンマッチしてしまった理由を振り返るのに、9月27日に発表されているマッチング中間公表結果も以下から確認しておきましょう。

2024年度マッチング結果まとめ

アンマッチにならないために多くのプログラムを登録する方が増え、マッチ率もあがりました。昨年と比較するとアンマッチへの意識は少し高まったといえます。全体としてアンマッチ者数は減った一方で、1位希望のマッチ率が低いことを鑑みると、いぜんとして「第1希望のプログラム=人気のエリアや病院」に人気が集中したため、第3、4希望以下のプログラムでマッチする方が増加した、という状況が伺えます。

2023年度よりもさらに臨床研修病院に寄った結果となりました。来年以降マッチングに参加する方は、マッチング希望順位登録は、「受けたいプログラムを受けたい順に」が基本ですが、第1希望は特に人気のエリアや病院に集中することを考慮し、第2希望以下のプログラムは候補を1つでも増やしマッチングに備えることをおすすめします。