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Monthly特集|放射線腫瘍医と海外でのキャリアについて

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第1回 「放射線腫瘍医とは」

筆者プロフィール
内野三菜子先生
トロント・プリンセスマーガレット病院(トロント大学医学部連携がん専門病院)
放射線腫瘍科臨床フェロー

内野三菜子先生

1998年東京女子医大卒。
東京医療センターにて外科研修、聖マリアンナ医大放射線科、
埼玉医大放射線腫瘍科を経て2010年1月より現職。
はじめまして。現在トロント・プリンセスマーガレット病院(トロント大学医学部連携がん専門病院)の放射線腫瘍科にて臨床フェローをしております、内野三菜子と申します。
放射線腫瘍医としての仕事について、国内でのトレーニングを経てから、現在カナダでの診療に従事するまで、キャリアパスの段階別に、今月から3回にわたってお話しさせていただこうと思います。

放射線腫瘍医について

まず最初に、放射線腫瘍医という仕事から話を始めたいと思います。

現在、国民の半分が罹患し、3分の1が死亡するがんですが、外科的手術、抗がん剤による治療と共にその治療の重要な柱をなすのが放射線治療です。

日本では長らく、がん診療は伝統的に外科が担当し、がん治療の中心は外科的切除に重点が置かれてきましたが、抗がん剤および放射線治療の技術進歩と治療成績の向上に伴い、集学的治療と呼ばれる3者の協働による治療が、がん診療の定番スタイルとして普及してきています。さらに超高齢社会に伴うがん患者人口の増加と相まって、多くは外来通院で済む放射線治療は、治療中の社会生活維持へのニーズにも合致し、放射線腫瘍医の重要性はますます高まる一方といえます。
アメリカではがん患者の約3分の2ががん治療の過程で放射線治療を受けますが、現在3割程度の日本もいずれ同程度に達するものと見込まれます。

放射線腫瘍医について

放射線治療は、抗がん剤による治療が全身治療を主たる目的とするのとは違い、局所コントロールに対し威力を発揮する治療手段です。

通常は、腫瘍および腫瘍周囲の浸潤の疑われる領域を中心に、あるいは外科的切除後であれば本来腫瘍のあった後の局所に対し、CTやMRI、場合によってはエコーやPETなどの画像を利用し、放射線を照射する位置を詳細に吟味の上で決定し、適切な線量を処方します。画像を利用して治療計画を立案するため、画像診断の知識は必要で、さらに腫瘍の臨床における振る舞い(進展のパターンなどを含め)に対する理解が必要とされます。
頻度に差があるとはいえ、腫瘍はおよそ体の全身どこにも出来ますので、頭のてっぺんからつま先まで、がんという疾患概念を切り口に、全身の臓器を対象とする科でもあり、また、疾患の性質上高齢者が多いとはいえ小児腫瘍の症例もあるので、あらゆる年齢層を対象とする科でもあります。また、放射線治療そのもの適応についても、固形腫瘍の中には放射線治療だけで根治的に完治可能な初期喉頭がんや前立腺がんのようなものもあれば、疼痛緩和のための緩和的照射まで幅広くあります。
治療施行に当たっては画像診断の技術および知識に負うところも大きいため、多くの場合医学部での講座名は「放射線科」とされており、実際に日本の放射線科専門医資格の要件も、診断医・腫瘍医を問わず、最低半年間ずつの両者のトレーニングを必須としています。これは世界的には稀で、諸外国では大抵の場合放射線診断医と放射線腫瘍医とは独立した科を標榜し、トレーニングは別に行われます。

学生・研修医のための放射線治療セミナーの様子学生・研修医のための
放射線治療セミナーの様子

日本でも近年放射線腫瘍科として独立講座を設立する医学部も増えましたが、全体には及んでいない状況です。初期臨床研修指定病院の中でも、放射線治療を適切に行えるとされる条件の整った病院は全体の約2割程度にすぎません。治療装置は高額であることから高度な先進医療として医療施設が必然的に集約化される面もあり、専門性の高い医療であることは確かですが、それでも多くの人に医療を提供している点では決して「隠れた」存在ではないはずです。
放射線治療の施行に当たっては、放射線の物理的な性質について専門に検証し治療の安全を担保する医学物理士や日々の治療を安全に執り行う放射線技師、治療期間中のケアを担当する看護師などの部内のスタッフはもとより、照射を依頼する主治医とその病棟スタッフ、場合によってはソーシャルワーカーなどまで、実に多くの医療職の協働作業が必要となります。

高い専門性を維持しながら、バラエティに富んだ臓器や病状を対象に、チームで作戦をたて、マネージをしていく、それが放射線腫瘍医の醍醐味とも言えるでしょう。

幅広い範囲をカバーする専門性という意味で、放射線腫瘍医は他科の実際の診療の様子を間近に見る初期臨床研修をそのまま生かせる部分も大きいと思います。

同様に他の専門科に行く人にとっては、がん診療を完全に避けて通ることはほぼ不可能な現状を考える時、初期臨床研修の間でもそれ以降でも、がん診療に携わる機会があれば是非我々の科にも関心を寄せてもらえると大変嬉しく思います。

日本放射線腫瘍学会は25年の歴史しかありませんが、医局所属の別なく、学生及び初期研修医を対象とした勉強会を学会単位で主催している最古の学会の一つです。
勉強会だけでなく、診療のこと、進路のこと、いつでも気軽に相談してもらいたい、というのが、多くの放射線腫瘍医の願いです。

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