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医学生のお勉強 「クレイジー」な国ニッポンを理解しよう
By 東海大学医学部長・黒川清とゆかいな仲間たち
Chapter4:生活習慣病 The 25th week

「生活習慣病」を文明と生活という観点から考えると
おのずと対策が見えてくるというものです。

セッションのオリジナルタイトル/Hypertension, Salt, and Kiney: How and Why


私たちの優秀な腎臓は、3億年前の進化のプロセスで起こった突然「変異」
黒川: こういうネフロンでのメカニズムは両生類の腎臓で初めてでてくる。ということは陸に上がったことと関係あるんじゃないか、ということがわかってくる。例えば魚の腎臓にはこういう機能はない。腎臓は陸に上がってから非常に大事になってくるんですよ。うまいことできてるなって。だって陸に上がる前は海にいたでしょ。どんなものを食べても海の中で食べてるんだから海水が入ってきちゃうわけ。海水の食塩濃度は3.5%だからものすごくしょっぱいわけじゃない。だから海にいる生物っていうのは腎臓があんまり作用していない。なぜかというと水の中にいるんだから水分はあまり調節する必要がないわけ。体の中に海水を入れてNaClを外に出すという作用をする「えら」がものすごく大事。陸に上がった途端に水のないとこにきちゃう。どのくらい水が飲めるかわからない、どれくらいNaClが摂取できるかわからない、となっちゃうわけです。この点で非常におもしろいのが河口にいる魚です。それは鱒とかさ、鰻とか。真水から塩水に、塩水から真水に移動する。こういう魚はどうやってるのかな、というのは非常におもしろいテーマだと思う。真水に移ったら、食塩がなくなっちゃうでしょ。海中では塩水だけ取り込んで、NaClばっかり出していたのに、今度真水に来たら食塩がなくなっちゃうわけでしょう。だけど真水にいても海水にいても陸にいても対応できる・・・こういう生物はいないかな。
 さてそこで、魚とか、特に哺乳動物で海に戻っちゃった鯨とかさ、イルカなんてのはそういう意味ではすごくおもしろいんです。3億年前に両生類が陸に上がったって言ったでしょ。で、腎臓に血圧を維持する機能がでてきた。それがさらに進化して爬虫類、そして爬虫類がさらに進化して鳥類と哺乳類に分かれていくんだけど、同じ脊椎動物でも哺乳類が地球にでてきたのは、たぶん1億年くらい前なんです。たぶん8000万年くらい前には恐竜がすごく栄えていた。それで6000万年前に恐竜が突然いなくなっちゃう。恐竜がいた頃には哺乳動物というのは非常にマイナーな種で、たいしたことがなかった。恐竜がいなくなってから哺乳動物がだんだんだんだん増えていったんだけど、でもその哺乳動物の中で海に戻ったものがいる。たとえば鯨とか。鯨は海に戻らなかったらあの体重を支えられなかったという話もある。今までは残っているものが骨しかなかったから骨を分析するしかなくて、骨格を分析して比較して、こういうふうに系統発生してきたといわれていたんだけど、最近になってDNAが分析されてきたから、進化のプロセスの解釈がかなり変わってきた。

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