最後に、当然社会の仕組みが変わることが一番だと思いますが、女性医師の働く仕組みが変わるというのは、いくら猪口大臣と言えども、一番最後になると思います。それは、生活に困っている方、子供がいても働かざるを得ない方、どうしてもそういった方が優先されますので、我々にとって、住み心地がいい社会に変わっていくというのは一番最後だと考えて間違いないでしょう。ですから、皆さんがまだまだ、子供がいても仕事をしようと思うと、個人頼り、もしくは、その勤務先頼りになってくる可能性が十分にあります。でも、少しずつでも声を上げないと、なかなかそういう仕組みは変わっていかないですよね。
患者さんの意識は、「やはり男の先生に担当してもらいたい」「夜遅くまで病院にいる先生がいい先生」のようです。例えば、大部屋なんかですと、「私の先生はいつ呼んでもいるよ」とか、例えば、子供がいて保育園に5時に迎えに行く先生がいると、「夜8時にはあの先生が回診に来てくれたことがないね」といったことが、医者の評価につながってしまっている。患者さんの意識もまた、変えていただきたいし、変えていただくようにしなければならないと思っています。
NHKのERなんてTV番組を見ていると、自分が挿管した患者がいても、時間だからって言って、チェンジして帰りますよね。やっぱりそういうことができるような仕組みを、作っていかなければいけないと思います。子供をもった女性の医師がいる、子供のいない女性の医師がいる、子供がいる男性の医師がいる、子供がいない男性の医師がいる、そういういろいろな人たち、みんなで、患者さんを診ていかないといけません。
子供がいなくて頑張っている女医さんだけが患者さんを診ればいいかというと、そうではありません。患者さんの気持ちに寄りそうとか、子供を育てたことのある女性だからこそできることがあります。ある意味、ネガティブなときもありますけれど、私くらいの年になると、子供のことで患者さんと共感できたり、悩みを打ち明け合ったりすることもあります。
だから、どうしても、そういう子供をもった女性が医者を続けられるように、社会も医療の仕組みも変わっていってほしい。皆さんに、どうしても医療を続けて欲しいんです。どんな形でもいい、常勤にこだわる必要もありません。医師を志したときの気持ち、常に原点に戻って、ぜひ医療を続けていってほしいと願っています。
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