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| ■子供は思うとおりにならない | ||||||
| それから、これは私の体験ですが、子供ほど自分の思うとおりにならないものはないですよ。特に女性で医師国家試験を受かったということは、エリート中のエリート。たぶん自分のやりたいこと、したいことは、全部自分の計画通り手に入れて、ここまできているはずです。私もこうしたいと思うことは、それなりに、なんとか自分の努力なり何なりで手に入れてきたつもりです。が、子供だけは本当に思うとおりにいきません。健康な子供が生まれるか、病気の子供が生まれるか、それも生まれてみないと分からないですから。 そして、私が一番よく思うのは、子供は母親の気持ちを非常によく反映します。例えば、私が学会で忙しいということを、乳飲み子なのに手に取るように分かっているのです。熱を出す、夜鳴きをする、「えー、先週はあんなによく寝てたのに、どうして今日は、徹夜をしてプレゼンの準備をしようと思う今夜、こんなに泣くの?」もうそんなことの繰り返し。テレビドラマや、例えばお友達を見て、「子供がかわいい」なんて言ってるその瞬間だけを切り取って、自分も子供をもとうと思うのは、非常に甘いです。 私が一番、失敗したなと思う体験談は、学会が近いのに、子供が熱を出したんです。どうにかしてやらないと、明日、白紙のプレゼンを発表することになる。そこで、普段の風邪薬に、浅はかなんですけど、ほんのちょっとだけテオドールを混ぜて飲ませました。子供にとっては初めての体験。ゼーゼーしてたので、これなら咳もしないでよく寝るだろうと…甘かったです。ラリッちゃって、もう超ハイ状態。子供は寝ないどころか、熱があるのに、遊ぼう、遊ぼう、って言ってくる。結局はおぶったりしてプレゼンの準備をしたんですよね。そんな風に、子供ができたら、カッコよくやるというのは、ほとんど無理。そのくらいドロドロになります。 でも、先輩の先生たちは、決してそんなドロドロの様子を、皆さんにいちいち医局で話したりはしていないはずです。一応プライベートなことだし、旦那のことも話題に出さないとならなくなってしまうので、そういう日々のドロドロした話というか、いろんな話を、若い先生にしている人はいないと思います。 私は、なんだかんだと遅刻をしてくる女性の先生、独身ですよ、を見ると「うーん、何で起きられないのかな?」と思います。私なんかは、ギリギリ必死で9時には医局に着いています。他の先生も同じかもしれない。例えば、自分は5時に起きて、子供たちの弁当を作って、洗濯物を干して、そういうことをやって、9時までには4時間も起きてるわけです。だけど、独身の先生が9時に起きられなかった、間に合わなくて医局にゼーゼー言いながらやってくる。「うーん、こういう先生が子供をもったらどうなるのかな」と、ときどき不安に思うことがあります。子供をもって頑張っている先生は、いちいちそういうことは言いませんね。5時に起きているとか、子供の弁当を毎日いくつ作っているとか、そんなことを口に出す先生は多分いないんじゃないかなと思います。子供をもつことは、決して甘くありません。 |
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| ■医師として、社会人として | ||||||
| 私のところに相談に来た皆さんの、出産後に医業を中断したときの理由です。 主な理由の1番は「子供と一緒にいたい」。これはしょうがないですね。考え方ひとつ。医者をやめるだろうと思っていた人が意外と頑張ることもあれば、絶対医者を続けるに違いないと思っていた人が、目の前に子供が生まれたらもうメロメロで、キャリアより子供を選ぶ、それはそれでいいと思います。 やっぱり圧倒的に多いのが、「パートナーが賛成してくれない」。要するに、旦那さんに、「子供ができたからやめるんでしょ。まさかね、まさか俺に家事や育児を全部やれなんて言わないよね」と言われてしまう。意外とまだそういう人が多いようです。それから、結構多いのが、パートナーの親が反対しているケース。「子供ができて働く?冗談じゃない!」お姑さん、お舅さん、それが大きな理由になって医業を中断されています。 先ほど、30代で女性の医師の数が圧倒的に減っていましたけれど、これらの理由から、そうなる方が多いわけです。これは私に相談されてもどうしようもないですよね。 所定の産休期間を知っていますか?産前6週、産後8週です。産後8週って意外と短いんですよ。仕事がしたい人はもう産後4週あたりで出たくなるようですが、ちょっと家にいたいなと思う人にとっては、産後8週というのはあっという間です。 出産後の相談をされて、一番困るのが、労働基準法で決められている産休期間が終わろうとしているのに、連絡をしてこない方。どこで何をしてどうなっているのか、復帰するのかしないのか、8週が終わるその曜日から出てくるつもりがあるのか、その次の月曜日から出てくるのか、それとも切がいい月初から出てこようとしているのか…子供を育てていると思うと、寝てるかもしれないから起こしちゃいけないと考えて、こちらから連絡するのは気がひけます。連絡してこない女性医師の方、多いんですよ。これは社会人として問題だなと、いつも思います。復帰するしないに関わらず、所定の期間が終わる頃にはきちんと連絡してこないといけませんよね。産休はきちんと取れる休みではありますけれど、その間、ドクターの仕事は必ず、誰かがカバーしてくれています。それは他の事務職等よりも、圧倒的に大変なことです。これはぜひ、皆さんにはきちんとやってほしいと思います。 連絡が取れたとしても、あと1週間で産休が終わるのに、「どうしたらいいか、分からないんです」という方がいます。それもすごく困りますね。もっと困るのが、「先生、私どうしたらいいでしょうか?先生決めてください」。電話口で、「主人が、主人が、主人がダメだって言うんです」と、自分のせいじゃなく、「主人」を連呼する方もいます。 これは相談にのる以前の問題。相談に来る、将来のことを決めるときに、一番大切なのは、あなたがどうしたいのか、ということ。あなたが復帰したいのか、あなたが復帰したくないのか、あなたが子供といたいのか、数年休職して子育てをして、それからまたがんばればよいのか。子供を産んだご本人が、これからどうしたいかということを、必ず、きちんとしたビジョンをもった上で、子供をもって欲しいと強く思います。 |
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