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男性の皆さんに考えてほしいこと
実は、ちょうど今、30〜39歳で子供を産もうか産むまいかと悩んでいる方の相談を受けています。
ここから先は実体験を交え、私の少し個人的な考えをお話してみたいと思います。
これは若い男性のお医者さんにも聞いてほしいんですが、女医さんをパートナーにしようとしたときに男性のお医者さんに期待すること、それは、女医さんをパートナーとして選ぶ場合には、仕事の継続をするとかしないとかいうことを話題にして欲しくない、ということです。
女医さんをパートナーにするのであれば、必ず、仕事の継続は大前提で相手を選んで欲しいし、女性も「仕事を続けるのは当たり前だよね」という気持ちで話に入って欲しい。

そして、もし、その先に話が進んで、「じゃあ、子供をもとうか」ということを、夫婦なりパートナーと考えようとしたとき、男性のお医者さんにありがちなのは、まず自分の将来のビジョン、ここから考えるんです。
でもこれは、誰でも自分がかわいいですから当然ですよね。それはいい。ところが、そこで抜け落ちてしまうのが、パートナーのビジョンはどうなのか、ということ。
パートナーである、20数年間生きてきた女性、医師の専門職を持った女性、その彼女がどういうビジョンで医師になり、生きていこうとしているのかを問うことが、男性は非常に欠落しているのです。
子供が欲しい、さらに、子供がいて家族となったときには、彼女のビジョンはどうなるのかを、問うことをしてくれない。
男性のお医者さんには、子供をもとうと思ったとき、是非、この3段階で考えて欲しいと思います。

相談を受けるといつも、どうもこの2番目の、パートナーのビジョンを無視する傾向があるなぁと感じます。私も自分自身感じていることですけれども、家族をもつこと、例えば、結婚して、30代で子供できた、妻がいるということは、男性にとってものすごくキャリアです。社会に、そして患者さんにとっても、安心感を与えるキャリアになるんです。が、残念ながらまだ、今の医者の社会だと、女性医師にとっては、「えー、子供ができたの?」「また子供を産むの?」といった具合に、どちらかと言うとキャリアダウンになるような印象があると思います。
それはテレビドラマのようなかっこいい世界と、現実の医局の世界、病院の世界とは、どうしてこうも違うのかと思うぐらいギャップがあるのは、嘘も紛れもない事実だと思います。
女性の皆さんが考えるべきこと
皆さん女性のドクターが、パートナーがいて出産を考えたときに忘れないでほしいのが、自分の医師としてのキャリアです。特に女性は86歳が平均余命、すごく先が長いんですから。定年があったとしても、医者という専門職は続けることが可能です。
だからこそ、自分の医師としてのキャリアの中で、今が産むのが適当な時期なのかどうか、知識もあるわけですから、あまり衝動に任せずによく考えて欲しい、と願わずにいられません 自分が出産した後に復帰するのか、それとも一度辞めるのか、夫も含めた家族の考え方、子供をもった後の人生にどういうイメージをもっているのか。実はこれが全く話し合われないうちに、目の前に子供が出てきて、子供が出てきてからどうしようと家族で大騒ぎをするというパターンが結構あるんです。また、公的、家族、いろんな意味において手助けはあるのかないのか、それは予め、妊娠してからじゃなく、妊娠しようかと思うときから既に計画していないと遅いんですよ。

さらには、保育園があるのがどうなのか、といったことも重要。例えば、出産を機に、保育園が近いところに居住を移す方もいます。今は保育園は私設のものでないと、なかなか入れませんよね。地方で公立の保育園などは、家から近いところや病院から近いところにあったとしても、そこに自分が必ず入れるわけではありません。特に女性医師の場合は収入があるので不利。シングルマザーであるとか、家が困っているから働いているといった女性の子供が、入園順位は上位になってしまいます。いくら自分が大切な仕事をしているんだ、医師として復帰したいんだ、と言っても、公的機関では優先順位の上位には入れない。
保育園が自宅の近くにあるのか、子供の面倒をみてくれる家族の近くに住むのかどうなのか、具体的にそういうことも相当前から考えておかないと、子供を目の前にしてからジタバタ慌てるのでは圧倒的に遅いです。おまけに保育園というのは、4月からしか公募はしません。その申し込みというのは、1月、正月の休み明けに、みんな走って、一斉に申請書を出しにいく。そのときにその紙を出していないと、まったくの補欠です。

そう考えると、極端な話、子供を産むのは12月くらいに生むのが一番いいですね。それなら、4月から4ヶ月で子供を預けることができます。ところが4月に子供を産んでしまうと、公立に関しては、来年の1月の公募まで待たないといけません。実はそういうことなどを、女性はちゃんと知った上で、調べた上で、子供をもとうかということを考えなければいけないんです。
こういう話を私が医局の後輩にすると、みんな、そんなことは知らなかったと言います。実際のところ、例えば、病院さんが保育園をもっている、看護婦さんのために保育園をもっている場合がありますが、それはまったく別の話です。公のところでなんとかなるだろうと思っている方は非常に甘いということを覚えておきましょう。我々は優先順位の下位なんです、収入があるから。社会的には困っている方が優先になるので、とても先に入れてもらうことはできません。
そこで私がいつも医局員に言うのは、いきあたりばったりで子供をつくるのは子供に失礼ということ。子供は親を選んで生まれてこられるわけじゃないのに、子供が目の前にきてから、「あぁ、私働きたい、でも預けられない、どうしよう」それは子供に対して大変失礼なことです。

最近の若い先生に多い傾向なんですが、何もかも、今、手に入れようとする。これはよく優先順位を考えるべきです。あなたは何をしたいのか、何を取って何を捨てるのか、後回しにするのかしないのか…。医療をするときと同じようなことです。朝はAさんのことをやろうと思っていたけれど、10時くらいにはBさんのことをやらなければいけない、さあどうするか。それと同じで、こういう私的なことも、今何をしなきゃいけないかを考える必要があります。同時に全てを手に入れることはほとんど不可能なんですから。きちんと自分のビジョンの中で、人に言われてじゃない、自分で優先順位をつけるのがすごく大事だと思います。

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