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- Runners~研修の現場から
- 第6回
- 「地域の患者さんを見守り続ける町医者になりたい。」
- 城南福祉医療協会大田病院呼吸器科シニアレジデント 野田 剛史 先生

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Profile
- 野田 剛史 先生(1976年生まれ)
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- 2006年 医師免許取得
- 2006年度~2007年度 城南福祉医療協会大田病院初期研修医
- 2007年度~ 城南福祉医療協会大田病院呼吸器科シニアレジデント
初期研修先選びについて

- Q 初期研修先を選ぶ際、どのようなことを心掛けましたか?
- 当時から、将来は地域住民に寄り添うような医療に携りたいと考えていました。でも一方で、新研修制度では救急対応の能力も求められると聞いていたので、初めは三次救急のできる病院に行こうと思っていました。
- Q いつ頃から活動を始め、どのように情報収集をされましたか?
- 全国の有名研修病院を見学して回ったクラスメイトがいまして、彼は夏休みの6週間を1週間ずつ、それぞれの病院で実習に参加したそうです。研修医がどのくらいメインで働くのか、寮はあるのか、病院の雰囲気など、彼の話は大変参考になりました。その他には部活の先輩の話やWeb、雑誌などの情報も参考にし、レジナビフェアにも5年生の秋に参加しました。
病院見学には5年生の夏休みに行き始め、初めは救急で有名な東京女子医科大学と日本大学を、そして出身地の長崎大学と長崎医療センター、また大学のある岩手県の市中病院をいくつか訪問し、東京の市中病院も回りました。全部で10くらいの施設を訪問したと思います。
結局、河北総合病院と大田病院の試験を受けたのですが、プライマリーケアが一通り経験でき、アットホームな雰囲気があり、また在宅(往診・訪問看護・訪問介護)がしっかりしている施設で研修をしたいと考え、マッチングでは大田病院のプログラムを登録することにしました。 - Q 試験はいかがでしたか?
- 河北総合病院の試験が印象的でした。15~25分くらいの面接が2回あり、1回目は一般的な面接でしたが、2回目は時間いっぱい自己PRをする、というものでした。一人でそれだけの時間を使って語り続けるのは、慣れていないのもあって大変苦労しました。小論文も別に出題されたと記憶しています。
後期研修先選びについて
- Q 後期研修でも残ろうと決めたのには、どのような理由があったのでしょうか?
- 実は初期研修が始まるときには、2年間の修了後、別の施設に移るつもりでいました。が、1年目の10月頃にその考えを翻すことになるきっかけがありました。ある患者さんが肺炎で入院されたのですが、その女性はあと数年で100歳になるという高齢の方でした。大田病院での診療を通じてその患者さんの症状は入院後1ヶ月くらいで落ち着きを取り戻し、3年経った今でもお元気で、現在は私が往診をしています。このような例から、徐々にこの病院に残ることを考えるようになりました。
地域的に呼吸器内科の症例はほぼ何でも診られること、200床規模にもかかわらず黴菌検査室を保有していること、東京民医連グループの多くの研修医と交流する機会があること、そして直接お世話になっていた1つ上の先輩が後期も残ると決定されて、引き続きご指導願えるようになったこと。後期研修も同じ施設に残ることに決めたのは、これらの理由が積み重なった結果でした。
その他

- Q 後期研修2年目を過ごされている今、ご勤務について何か感じることはありますか?
- この地域は特徴があって、工場が多いため粉塵被害にあわれる方や、以前はアスベスト被害にあわれる方も大勢いらっしゃいました。大田病院は、病棟、外来、診療所、在宅が揃っていて、緩和ケアにもかなり早い時期から対応しており、そのためグループ内で患者さんを継続的にサポートすることができます。また、大学病院ならば急性期の患者さんをたくさん診ることができるかと思いますが、200床くらいの病院では外来と入院の境目についての感覚が磨けるでしょう。
より難しい症例を扱うことも大切ですが、一つの症例を複数の視点で捉えなおすことや、治療の歴史的背景、症例の病理的背景についてより深く理解することも、非常に大切なのではないでしょうか。 - Q 往診を経験されて、どのような感想をお持ちですか?
- 往診で診る患者さんの多くは、介護が必要、ターミナル、入院したくない、などの外来にかかれない方々です。患者さんの表情は病院での診察時と大きく違いますし、たとえば2階に住んでいるとか、食生活の様子といったような生活環境に直接触れることができますので、往診は患者さんを理解するためには大変有効な方法だと思います。生活環境の中で病を位置づけ直すことで、患者さんは、病気ありきではなく人生ありきなのだということに改めて気づかされるのです。
後輩の皆さんへのメッセージ

- とにかくたくさんのことを見聞きして経験を積み、そしてそれらをふまえて自分自身の今後の行き先を考えてほしいと思います。どのような病院で研修がしたいのでしょうか。またどんな将来像を描いているのでしょうか。研修では、年次が上がり、より責任を持つにつれて、さらに多くの課題を解決していかなければならず、時間は飛ぶように過ぎていきます。
私は後期研修医として現在勤務していますが、悩むことに終わりはありません。亡くなった患者さんについて、急変前にその可能性を伝えておけばよかったのか、ふと思い返すようなこともあります。けれども、患者さんが治癒する過程で自分に手助けができ、役に立っていると感じる。そこに医師として働くことの希望はあるのではないでしょうか。
次回の「Runners~研修の現場から」もお楽しみに。


