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医師賠償責任保険
第2回/全5回連載 医師賠償責任保険TOPへ
医師賠償責任保険と医療訴訟について。
Chapter1. 医師に必要な保険って?
皆さんは医師の仕事や生活を考えた時、どのようなリスクを思い浮かべますか?一つずつ見てみると、医師の仕事や生活には様々なリスクが潜んでいます。ハードな勤務環境から来る疾病や傷害、そのために就業できなくなった場合の収入の喪失、通勤や往診途中の自動車事故などは典型的なものといえるでしょう。(これらのリスクを補償するのは、それぞれ『医療保険』『傷害保険』『所得補償保険』『自動車保険』です。)

こういった医師が持つリスクの中でも、特に現実的で、かつ万一の際の損害が大きいリスクは、医療訴訟による賠償金ではないかと思います。そして、この賠償金を補償するのが、前回の図でも取り上げた【医師賠償責任保険】になります。
まずは、【医師賠償責任保険】を知る前に、医療訴訟に関して、その背景と内容をご紹介致します。
Chapter2. 医療訴訟について
医療訴訟は、最高裁判所のデータを見てみると、一時期よりは落ち着きを見せてはいるものの、10年前の約2倍、年間約1,000件前後が新しく提起されているのが分かります。また、1事故の賠償金額で見てみると、3億円の賠償請求が出るなど、賠償金額の上限は年々上昇しているようです。
医療訴訟発生数推移
Chapter3. 医療訴訟の例
実際の医療訴訟はどういった案件があるのでしょうか。判例を見てみましょう。

【事件の概要】
Xさん(50歳、女性)は市の医療センターで健康診断を受けた。
勤務医であるY医師は同センターで胸部レントゲンの読影を担当した。Xさんの肺に直径約1cmの異常陰影が存在していたが、Y医師はXさんに異常がない旨、説明した。
翌年、Xさんは他の医院で健康診断を受けたがその際に肺に腫瘍があることが判明した。Xさんは胸腔鏡下肺葉・区域切除術(VATS)法で右肺下葉を切除した。XさんはY医師が陰影を見落としたことが原因で肺がんの発見が遅れたため肺がんが進行し5年生存率(疾病と診断されてから5年後に生存している確率)が低下した、としてY医師及び市(医療センター)に損害賠償を求めた。

【判決】
判決にあたり、損害について、腫瘍の摘出手術が遅くなったことによる5年生存率がどの程度低下したかが争点でした。
結果、Xさんの逸失利益(もし被害者が事故にあわなければ、これから先、当然得られたであろうとされる利益のこと)は否定されましたが、Y医師及び市の責任は肯定され、死の危険が高まったことに伴い不安や恐怖も高まったことを認定し、慰謝料については400万円が認容されました。
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